三州奇談のタイトルざっとまとめ終えました
タイトルそのままです。
私のための三州奇談のタイトルメモ - 雨乞山には夕日が沈んで
気が向いた時にしかやらなかったので、スタートから結構時間が経っています。これは反省。
ざっとタイトルを書き出し、だいたいどの辺が舞台なのか見当をつけては書いていたのですが、*1気になることが一つ。
三州って謳ってるけど、能州の奇談無くね?
マイペースに個別の奇事を掘り下げたり、『続三州奇談』『奇事談』もやって行きます。
*1:大体この舞台の現在の地名調べとかに時間を盗られて、だんだん億劫になっていった
「わし」のこと
梯立の 熊来のやらに 新羅斧 堕とし入れ わし
懸けて懸けて 勿泣かしそね 浮き出づるやらと見む わし
新羅斧の歌と熊木酒屋の歌にも出てくる謎の言葉「わし」であるが、「わっしょい」というような意味の言葉であるらしい。だが、この言葉を入れられている意味がよくわからないのではないだろうか。高価な斧を落として、何がワッショイなのかと。
コヤブ歴史堂*2では、この歌を「万葉集には人が大事な物を落とした時に何ふざけているのかと怒りたくなる歌がある」と紹介し、その際に「今で言う「ゲッツ!」や「フォー」のような当時のギャグではないか?」という解説があった。七五調を乱しいまいち語呂が悪いというのに、2首にも入れられているので、当時もしくはその当時の熊木ではかなり流行っていたのだろう。
流行りのギャグなのならば、ギャグを交えたコミカルな歌なのだろうが、当時のギャグというものが分からないので、もうこの歌のニュアンスはわからないのだろう。
【関連?】
熊来酒屋のこと - 雨乞山には夕日が沈んで
松根城に行ってきた
国道359号線を行くと、県境近くに標識が見えて来る松根城。
古くは木曽義仲が使ったという説もあり、南北朝の騒乱や戦国時代の一向一揆・前田氏と佐々氏の争いで使われ、一国一城令の後に使われなくなった城です。
国道に標識があることからも、以前から気にはなっていたのですが、
用事が終わったあと、なんとなくふらふらと行って参りました。
思い立ったまま、Tシャツ・ジーンズ・スニーカーという格好行ったのはいいのですが、
途中でクマ出没のニュースのことを思い出して一人青ざめたりしていたので、
山城を行くには装備が甘かったですね。これは猛省しなくては。
以下に写真を載せていますが、後で看板の文字を見返せるようにデータ量が大きい物を使っています。
続きを読む『四不語録』のこと
浅香久敬(山井)*1が著した奇談集のこと。
作者の浅香久敬は六百石拝領の加賀藩士であり、加賀藩四代藩主*2前田綱紀*3に仕える。
『四不語録』の他にも『三日月の日記』『能登浦伝』などの紀行文、江戸時代最大級の徒然草注釈書『徒然草諸抄大成』も残している。
藩士としては能登・京都への滞在、綱紀の参勤交代に随行などしている。
『四不語録』は朝香久敬が60代の頃に書かれたとされている。
『国書総目録』によると加越能文庫にあるとされているが、加越能文庫には現存はしない。*4
元々はかなりの数の話が書かれていたそうだが、今では散逸し怪談話の部分しか伺えず、それも写本でしか残っていない。
【関連】
私のための四不語録のタイトルメモ - 雨乞山には夕日が沈んで
【参考】*5
川平 敏文(2000)「浅香久敬--元禄加賀藩士の前半生」『語文研究 (90)』pp 1-15.九州大学国語国文学会
川平 敏文(2001)「浅香久敬--元禄加賀藩士の後半生」『語文研究 (91)』pp 22-37.九州大学国語国文学会