雨乞山には夕日が沈んで

細く長く、地元の昔話を読んだり実際に見に行ったりしています

住吉神社のこと

ここでは豊田町地区の神社のこと。
住吉の名に違わず、住吉三神を祀っている。

表筒男命中筒男命底筒男命住吉三神と言えば、海神・航海の神であるが、
現在の住吉神社はというと、川沿いではあるが、田んぼに囲まれている。
かつては今よりも下流のほうにあった神社が移転したわけではなく、
日用川のほうが埋め立てられたためである。*1
かつては舟が行き来していたことも、住吉三神が祀られている一因だろう。

*1:やはり地盤が緩いのか、能登半島地震の時傾いたそうな

豊田隧道のこと

豊田にある県道254号線のトンネルのこと。
50メートルもないの短いトンネルである。

白山神社がある山の下を通るので、白山神社の方から回る鬱蒼とした道を通らずとも簡単にトンネルの上に上ることができた。*1
大して高くもないが、いい具合に遮るものが無いので、中々いい具合に平野部を見渡すことができる。

昭和13年生まれの祖母が、空襲の避難訓練に使ったとのこと。*2
心配なのは、祖母が「その頃からあまり手が加わってないんじゃない?」と言ったことである。*3*4

【追記】
この記事を書いてしばらくして、トンネルを壊して切通になるということが決まった。
一年ほど工事をしているのに、未だに切通は完成していない。

*1:今の状況を確認していないのと、どなたかの畑を横切った覚えが

*2:その当時、小学校等の場所は今のものが残る場所とは違った

*3:うちの祖父、あそこは物理的な意味で怖くて迂回すると言ってた。最近近寄ってないのだけど、さすがに手が加わったと信じたい。

*4:さらにその後通る機会があった。さすがに手が加わっていた。100年以上使う気なんだろうか、とか思ってたけどやっぱりムリだった

女の幽霊のこと 

四不語録』に記録されている化物。
水木しげるの『妖怪文庫』では、「力持ち幽霊」として紹介されている。
話の詳細は以下を参照にされたし。
力持ち幽霊 - Wikipedia

ちくま文庫の『奇談異聞辞典』の『四不語録』では「飯山」には「いいやま」と仮名が振られているが、現在では「いのやま」と呼ぶ。*1
現在の「神子原」は「神子ヶ原」と書かれている。*2
古い文章はそういう地名の違いも面白い。

*1:「いいやま」と読んだら家族に「なんて読み方してるんだ?」と呆れられた。そういう文章が残っいてたんだ!

*2:神子原といえば、神音カフェ行ってみたい

石だんすのこと

昔話に出てきた大岩のこと。

昔々、信心深い翁が山の上に光る物を見かけたので、
行ってみればたんすのようになった大岩があり、
その引き出しが開いており、その中の宝物が光っていたのだった。
大岩は鍵穴もなく、取っ手も無い不思議なもので、
翁は宝物を手に入れて戻ってからは、その石のたんすが開いていることを見ることはなかった、というような話だったような気がする。*1

祖母の話によれば、石だんすがあったとされる山はガンジョウジより西のほうとのこと。

ちなみにこの話、町史の類で見たことがなく、
確認したいのならば『いろり火』をお勧めする。*2

*1:小学生の時に聞いたきりなので、とてもあやふや

*2:いろり火、まだ新品手に入るのならば欲しい。親類の家では見かけた覚えがあるんだけど、実家には無かった

かわうそのこと

「かぶそ」「かわそ」とも。
のとじま水族館にいるものとは別物である。*1

色々化けたりいたずら程度のものもいるが、金沢城近くに出たものは人を食い殺しているので、獰猛なものもいるようだ。
水辺に出ることが多く、河童の一種ともみなされることもある。*2

加賀にも能登にも伝わる。
七尾市徳田町あたりの話からすると、明治ぐらいまではその存在が確認できたらしい。

似たようなものに能登島に「むじな」の話が残る。こちらのページを参照されたし。 *3

【関連】
河童のこと - 雨乞山には夕日が沈んで
かわうそのこと② - 雨乞山には夕日が沈んで
どうやら曽祖父が化かされてたとのこと。

*1:水木しげる御大や鳥山石燕が描いたのをイメージするように。

*2:山にも出る。でも河童は冬になると山童になって山に行くという話も聞くし

*3:能登島のむじなはスキャットの達人の模様。

石山合戦のこと

浄土真宗本願寺勢と織田信長との戦いのこと。
主戦場は摂津国石山である。

能登とはかなり離れた場所の合戦ではあるが、能登からも一向宗が援軍に向かったという記録がある。*1当時の寺院の繋がりが垣間見える。
当時の能登の一向宗の動きとしては、他にも上杉謙信の能登侵攻の際にも長続連に呼応して一揆を起こしている。*2*3

*1:大正期ぐらいに書かれた郷土史を参照されたし。郡誌か町誌かは忘れた

*2:一向一揆といえば、どちらかというと加賀のイメージかもしれないのだけど、能登もこういう歴史があるのだよ、ということで。大まかな流れは加賀と大差ないかもしれないが

*3:上杉謙信の一向一揆だが、起きた場所とか考えるとうちのご先祖の1人は参加してそう

熊来酒屋のこと

万葉集に見える熊木*1にあったら酒屋のこと。
ここでいう酒屋は「酒の販売所」ではなく「酒の醸造所」のこと。

過去にも実際にどこにあったのだろうか気になった人はいたようだが、結局わからなかったらしい。*2わし。

【関係奇事】

「わし」のこと - 雨乞山には夕日が沈んで

*1:万葉集に見える熊木の人たち、皆どこかおドジだと思うのは私だけかしら

*2:参考『能登志徴』