雨乞山には夕日が沈んで

わたくしのふるさとってこんなおはなしがあるところ

ヒヒ退治のこと

ここでの狒々(ヒヒ)は実在の動物のほうではなく、大猿に似た妖怪のことである。

珠洲の片岩のお話。
毎年2月5日の夕方になると、若い娘がいる家に白い矢が一本突き刺さった。
矢のあたった家は、桧で作った箱に娘を入れ、次の日神社の奥に人身御供として追ていたのだった。
ある年、素平太という侍が村にやってきた。
「儂が身代わりになろう。儂が合図をしたら、皆でお堂を力いっぱいバチで叩いてくれ」
2月6日の夜、魔物が現れた。
村の男が力いっぱいお堂を叩いたので、魔物が驚いて飛び出したところを侍が切りつけた。
その魔物を正体を見れば、白い大ヒヒだった。*1

七尾のデカ山の縁起でも、猿神が出て来る上に、
人身御供を要求する。

柳田の猿鬼もこの類か。
柳田の地名は、この猿鬼征伐伝説にちなむものが多い。


(太平百物語にも能登に猿神の類が出たという話がある。
 どのような話かは記事を書いている時点では未確認)

*1:『こども石川県史ー民話・物語編ー』